「紙の月」読了
「紙の月」(角田光代 著)という本を読みました
図書館で見つけ何となく手にとった本です
確か映画化されたはず
宮沢りえが主演を務め、銀行のお金を横領した話だったかな
なぜ横領なんてしたんだろう
横領した金額はどれくらいだったんだろう
お金は何に使ったんだろう
その時主人公はどんな気持ちだったんだろう
たくさんの?を持ちながら一気に読みました
主人公の梨花は人一倍正義感があり真面目な少女だったし、結婚してからも夫や日々の暮らしを大切にする平凡な主婦でした
それがほんの少しずつ歯車が狂っていく
そのきっかけは日常のいたるところに散らばっている
例えば夫の何気ない言葉にもやっとする
それは一瞬のことだけど積み重なると大きな得体のしれないものになる
本文から
〈自身の歩いてきた道の至るところに「もし」は仕掛けられていた〉
〈無数の「もし」の先に「こんなことにはならなかった」と梨花は続けるのだが、しかし、そのいくつもの「もし」を選んでいたとしても「こんなこと」になったのではないかと考えて梨花は茫然とし・・・〉
梨花は自分のしたことをどう思っているのだろう
あんなことしなければ、と後悔してるのか
それとも人生のほんのひととき自分を解放して好きなことをしたと満足してるのか
日常生活はいろんな選択の連続です
「もしあの時~すれば」と後悔することなどしょっちゅうあるし、落とし穴は至るところにあるのかもしれません
人生の至るところに仕掛けられた「もし」
ほんの少し道を誤っただけでも深い谷底に落ちる(堕ちる)こともある
生きることの危うさと一筋縄ではいかないぞという深さを感じました
久々に読みごたえのある作品でした(10年も前のものですが)
角田光代さんの本、また読みたいです
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