お茶でも飲みながら

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読了「ヒポクラテスの誓い」

久しぶりに図書館で借りてきた本は「ヒポクラテスの誓い」(中山七里 著)何気なく手に取ったけど読みごたえのある一冊でした。


舞台はある大学の法医学研究所。警察の要請を受けて変死体を解剖し、事件の解明に協力します。そういえばと、ドラマ「監察医朝顔」を思い出しました。あの世界のイメージです。


まだ研修医で、内科からこの法医学教室に移ってきたばかりの主人公。彼女は生きてる人の病気を治すことこそ医師の仕事と考え、死体を解剖することに戸惑いや疑問があったのですが、様々な経験をして成長、変化していくのです


単なる事故として処理されかけたものも調べてみると、実は卑劣な殺人事件だったとか、死者だけが知っている事実が隠されていたなんてことがわかるのです。死体は生きてる人以上にいろんなことを雄弁に語りかけるものなのですね。


直近で思い出したのは歌舞伎俳優市川猿之助さんの事件。とてもショッキングでしたが、司法解剖によりご両親の亡くなった原因等も詳細にわかってきたよう。ただマスコミで必要以上に報道するのはいかがなものか?


でも現実には残念ながら解剖するための人手もお金も不十分で、事故として処理されることが多いらしい。


返却しに行ったらシリーズ化されていることを知り、また借りてきました。今度は憂鬱と試練だって。


ちなみにヒポクラテスの誓いというのは、医学の父ヒポクラテスがどんな患者も(それこそ生者であろうと死者であろうと)区別なく扱うことをギリシア神へ誓ったものなのだとか。読むのが楽しみです。